理想気体の状態方程式
というわけで今日は技術者っぽいことを書きます。
タイトルの方程式は高校ぐらいのときに習った様な記憶があるのではないでしょうか。実際の生活で役に立つことはまあ稀かもしれませんが、製造業に就いている人であればなじみがある方はいるかも知れません。
世の中に資格はたくさんありますが、高圧ガスに関するもので、「高圧ガス製造保安責任者」(だったかな?)というのがあります。確か毎年11月はこの資格試験があったなあ、なんてことを思い出したので、その連想からタイトルに関することをちょっと書いてみようかと思った次第です。詳しくはウィキペディア先生に書いてありますが、ちょっと難しくって何を書いてあるのかよく分からない部分があると思いましたので自分なりにシンプルにしてまとめてみようと思います。
1.ボイルの法則
「温度が一定のとき、気体の体積は圧力に反比例する」という法則です。
PV=一定
ここでPは圧力で単位はPa(パスカル)、Vは体積で単位はm3(立方メートル、リューベ)です。圧力が高いと体積は小さい、圧力が低いと体積は大きい、というのは感覚的には理解できるのではないでしょうか。身近なところでいうと何でしょうか、圧力鍋?それとも高山では空気が薄い?いずれにせよこの法則を示した人の名前をとってボイルの法則と呼ばれています。
2.シャルルの法則
「圧力が一定のとき、体積は(絶対)温度に比例する」という法則です。
V/T=一定
ここでVはさきと同じ、Tは絶対温度で単位はK(ケルビン)、です。ちなみに絶対温度とセルシウス温度の関係はT=セルシウス温度+273です。つまり20℃は293Kです。この法則も人の名前からとっており、感覚的には理解しやすいのではないでしょうか。気体はあっためると膨張する、冷ますと収縮する、という性質をもっているということです。
3.アボガドロの法則
「圧力、温度が一定のとき、同一体積の気体中の分子数は同じ」
標準状態(0℃、大気圧)において、1mol(モル)の体積は22.4L(リットル)=0.0224m3、である。この法則の導入方法は忘れてしまいました。1モルは22.4L、と暗記してください。。。
4.ボイルーシャルルの法則
1.と2.を合わせると
PV/T=一定
となります。そのまんまですね。
5.理想気体の状態方程式
4.へさらに3.の定数を組み込むと理想気体の状態方程式が導かれます。
PV=nRT
P:圧力(Pa)
V:体積(m3)
T:温度(K)
n:物質量(モル数、mol)
そしてRは気体定数と呼ばれており、値は8.31、単位はPa・m3/mol・Kです。
6.それでは問題です。
この法則に慣れるというか理解が進むために何か式を使って問題を解いてみるのがよいかと思いましたので一つ問題を出してみたいと思います。ちなみにこの問題は過去に高圧ガス保安責任者資格試験や高校の教科書で実際に出た問題を、そのまま出すと差し障りがあるかもしれないのでアレンジしたものです。
問.理想気体が温度27℃、圧力1MPaで密閉容器に充填されている。温度は一定のまま、容器内の気体を0.5mol取り出すと容器内圧は0.5MPaとなった。
(1)密閉容器の内容積は何Lか?
(2)最初に容器内に充填されていた理想気体の物質量は何molか?
如何でしょうか?答えはまた明日ということで。
ではでは。